認知症の母との日記
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老年期に認知症を起こす病気は数多くありますが、その八○’九○パーセントは脳血管性痴 呆とアルツハイマー型認知症が占めていることはすでに述べた通りです。 これらの認知症の原因疾患が薬で治療しにくいこともすでにふれました。老年期の認知症の中 で占める割合は多くありませんが、この中には早期発見、早期治療により治すことのできる 認知症が含まれています。その治療手段として、たとえば慢性硬膜下血腫には手術による治療 が可能であり、手術を行わないでいると認知症が現れることがあります。 一方、アルツハイマー型認知症についてはその原因が明らかでないこともあり、原因に関す る治療法はなく、認知症の中核となる記憶障害に関する治療法はありません。神経伝達物質や 神経ペプチドと関連した薬物療法が試みられてきましたが、今のところ評価できる段階には ないのです。随伴症状である自発性の低下や情緒障害などに対して、適応として認められて いませんが、脳代謝賦活薬が有効である場合があります。また異常行為、興奮、乱暴、抑う つなどに対して抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬が用いられますが、これらについ てはある程度効果を期待できます。 いずれにしても、認知症への対応は治療(・胃の)より介護(&昂)が重要であって、介護を しやすくするために上記の薬剤が補助的に投与されます。脳血管性認知症の場合には、アルッ ハイマー型認知症では得られない効果が脳代謝賦活薬によって示されることがあります。また 異常行為、興奮、幻覚、妄想などに対しては抗精神病薬が有効で、介護上の困難を明らかに 軽減してくれます。 脳血管性認知症がアルツハイマー型認知症と最も異なる点は、後者が予防はもちろん、治療が むずかしく進行を止めることが困難であるのに対し、脳血管性認知症は多発性脳梗塞によるこ とが多いので、危険因子の除去によってその予防がある程度可能である上に、一度起こって も再発予防のための薬物療法があり、また重症化を抑えることにより、認知症の進行や悪化を 食い止めることができるということです。 これまでは脳器質性要因についてのみ論じてきましたが、脳の器質的変化に起因する部分 のほかに合併症を含む身体的要因や四肢の障害、聴覚や視覚などの感覚器、二次性の廃用性 要因や、さらには家庭、家族、施設、病院などの心理的・環境的・社会的要因の関与があっ て知的機能が低下することもあります。したがって、これらの因子にもとづく知的機能の低 下は原因疾患に関係なく改善できる可能性があります。その治療はケアが主となりますが、 同時にさまざまな薬物療法が併用されます。
by fsh4000
| 2017-12-03 15:45
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