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認知症が進行

認知症の母との日記
by fsh4000
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睡眠導入薬は使わないほうがよい

最近、わが国でしばしばみられる薬剤性の認知症様症状、あるいは薬物性パーキンソニズムは、ベンザミド系薬剤によって生じるものが多い。図2‐週に示したように、ベンザミド系の薬剤の代表であるメトクロプラミド、スルピリド、チアプリドなどは、構造式の骨格はきわめてよく似ている。そしていずれもドパミンのレセプターの遮断作用がある。メトクロプラミドは慢性胃炎に用いることができ、スルピリドは老人性うつ病治療の保険適用がある。

またチアプリドは脳動脈硬化症にともなう夜間せん妄や攻撃的な言動などにも使えることになっている。だから、高齢者で慢性胃炎とうつ病があって、しかも脳動脈硬化症が当然あると考えると、これらの三種類の薬剤が同時に使われる可能性がある。あまりにも大量の薬剤でドパミンのレセプターを遮断すると、神経伝達物質であるドパミンが働くことができなくなり、ドパミンが減少したパーキンソン病と同じような症状になり、身体が硬くなって寝たきりの状態になり、認知症と間違えられることになる。これらの薬剤は、それぞれすぐれた薬ではあるが、異な
った適応病名があるからといって、似たような作用をもつものを、複数並べて同一の患者に使ってはならない。

また、不眠症に対してベンゾジアゼピン系の睡眠導入薬が安易に処方される傾向がある。問題がなければよいが、ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬は、しばしばその投与が夜間せん妄の引き金となる。

また、夜間せん妄を示している患者に対して抗精神病薬ではなく、ベンゾジアゼピン系の薬剤を処方すると、ますます夜間せん妄がひどくなる場合がある。また、高齢者では身体からこれらの薬剤が抜けにくい傾向があって、翌日になってもぼ-つとして、昼間もうとうとと寝ていて、本当に認知症の引き金になってしまうことがある。できることならば睡眠導入薬は使わないほうがよいと思われるし、もし使うとしても、毎日ではなく一日おきとか、あるいは量をなるべく少なくするといった工夫が必要である。






by fsh4000 | 2019-02-11 13:30
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